叩いて、殴る

ゲーム機のコントローラーのボタンは「押す」ものであるというのが、これまでの常識だった。しかし、ドンキーコングジャングルビートにおいては、ボタンは「叩く」ものであり、「殴る」ものなのだ(タルコンガの内部処理的には「押す」が正しいのだろうけど)。

このゲームはゲームとしてはそれほど目新しいものではない。ごく普通の2Dアクションだ(もちろん、任天堂のアクションゲームらしく、レベルデザインは秀逸)。普通の「押す」コントローラーでも問題なく操作できる。だけど、「叩く」ゲームとしてきちんと成立しているのが素晴らしいし、何よりも気持ちがいい。

考えてみれば、ボタンを「押す」という行為そのものには快感はない。でも、「叩く」「殴る」という行為は、それ自体にある種の快感を含んでいる。だから、プレイしていて、スカッとして気持ちがいいし、ストレス解消にもなる。通常のゲームプレイによる快感に加えて、「叩く」行為自体の快感も得られる。いや、ゲーム内のドンキーの動きと、自分の「叩く」行為が見事に連動するため、快感は何倍にも増幅されると言っていいかもしれない。これはインターフェースの勝利だよなぁ。